矯正治療開始時期について
矯正治療をいつ始めるかについてはいろいろな考え方がありますが重要なことです。
大別すれば永久歯が出る前にする(早期治療)か、永久歯が生えそろってから(晩期治療)にするかです。
矯正専門医の間でも意見は分かれています。
そこで両者の特徴について考えてみたいと思います。
早期治療ー顎の成長が期待できるのでそれを利用する選択肢の幅が広くなります。
・永久歯が生えそろう前に顎骨、筋(顎の周囲や顎を動かしたりする筋)の不調和を改善し
ますので歯がいがんではえたり、かみ合わせがずれたりするのを予防できます。
・将来永久歯の抜歯や顎の骨を切ったりする可能性が少なくなります。
・治療は長期間となり、患者様が治療途中で中断、放棄する可能性があります。
・特殊な疾患や成長に問題がある場合、歯列不正を改善できにくいことがあります。
晩期治療ー顎の発育が期待できないので選択肢が限られます。
・つまり限られた顎の大きさの中で歯を並べることになります。
・顎の成長は終了しているので治療期間は予測しやすくなります。
・好ましくない成長を阻止したり予測できないかみ合わせになったりすることがありません。
・スペース不足量が多い場合は抜歯になる可能性が高くなります。
小児歯列不正の治療は上記のように異なった考え方があるので担当医とよく相談しご両親と患者様本人が納得のいく方法を選択されるのがよいのではないかと思います。