ブラキシズム

歯科領域では、正常な機能とはいえない咀嚼筋活動や上下の歯が接触するような
顎運動をブラキシズムと定義しています。

ブラキシズムは睡眠時・覚醒時どちらでも発生します。

睡眠時ブラキシズムは睡眠時関連運動異常症に分類され(国際睡眠関連疾患分類「2005」)
「睡眠時におこる歯ぎしり や噛みしめを特徴とする下顎の不随意運動」と定義されています。

覚醒時ブラキシズムは、習慣性噛みしめ、口腔習癖、日中歯牙接触癖等様々な非機能的なものが含まれます。
睡眠時と覚醒時は異なる状態なのでこの両者は分けて考える必要があります。

睡眠について
睡眠の意義は、覚醒中の記憶の整理・定着、エネルギーの回復・保存、環境への適応、
体温・免疫機能調節発育成長等が挙げられます。
不十分な睡眠は心身の健康、脳機能に影響し、眠気・疲労感が強くなり、注意力・集中力・記憶力・学習能力や身体回復能・免疫力が低下します。また生活習慣病のリスクを高めると指摘されています。

睡眠の仕組み
睡眠の構造は脳波により区別され、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」に分けられます。
「レム睡眠」は入眠後最初に訪れる浅い睡眠状態で、眼球がよく動きますが筋緊張は消失しています。
ノンレム睡眠に比べ血圧、心拍数は高くなり自律神経では交感神経活動が高くなります。
「ノンレム睡眠」はレム睡眠から移行し深くなるに従い1~4の段階に分けられます。
この睡眠ではほとんどの機能が低下し自律神経では副交感神経活動が高くなります。
筋の緊張も消失せずに低下しています。
一晩の睡眠の中で「レム睡眠」:「ノンレム睡眠」の発生割合は約20%:80%と言われています。

深いノンレム睡眠の後しだいに睡眠が浅くなり、レム睡眠へ移行します。
約90~110分で[レム睡眠~ノンレム睡眠~レム睡眠睡眠]の1周期を作り
一晩では、その周期を4~5回繰り返します。
朝方になると、深いノンレム睡眠は減少しレム睡眠の時間が長くなります。

睡眠時ブラキシズム
歯ぎしりは睡眠周期に応じて頻発し約60~80%は深い睡眠から浅いレム睡眠に移行する前(睡眠周期後半のノンレム睡眠)に発生します。(レム睡眠では10%程度、深いノンレム睡眠では10%未満に発生するとされています。)
この期間では、一過性の覚醒も頻繁に発生し顎運動だけではなく身体の運動も生じやすい状態です。
つまり、90~120分の周期で上下の歯が強い力で接触する時間帯があると考えられます。

ブラキシズム発生の前には交感神経活動が増加し心拍数や脳の活動が上昇します。
その後歯ぎしりが起こりますが歯ぎしりをしない人でも同じような咀嚼筋の活動は起こっています。
歯ぎしりする、しないの明らかな違いは、その筋の活動の程度と考えられています。
つまり、なにかの要因で筋活動が過大となり、その結果歯ぎしりが発生すると考えられています。
しかしなぜ過大な筋活動が発生するのかがはっきりとわかっていません、
歯ぎしりの起こる仕組みはほぼ解明されているのですが、歯ぎしりが起こる要因がわかっていないためそれを抑えることは困難だと考えられています。

ブラキシズムと性格
歯ぎしりを自覚する人は不安傾向を示す人が多いようです。また日常生活のストレスが睡眠時ブラキシズムに影響を及ぼす人もいるとのことですが理由はよくわかっていません。

遺伝
夜間の歯ぎしりを自覚する人の50%の家族・親族が歯ぎしりを自覚し、二卵性双生児より一卵性双生児で二人とも歯ぎしりを自覚する頻度が高いと言われ、このことから遺伝的要因もかかわっている可能性があるようです。




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